
空き家を相続した際には相続税が、また、空き家を所有することで固定資産税や都市計画税がかかります。賃貸をする際には不動産所得税が、売却には譲渡所得にも所得税が課税されます。空き家には、様々な税金の特例や節税の方法があり、上手に活用すれば大きな節税効果を得ることができます。
空き家の所有に関する税金
空き家(不動産)の所有にかかる税金の代表が、土地に対する固定資産税と都市計画税です。いずれも小規模住宅用地の土地の軽減の特例制度があり、この特例によって、固定資産税が最大で6分の1に、都市計画税が最大で3分の1に軽減されます。空き家を取り壊し更地にした場合は税金が上がります。つまり、この特例を受けるために残してある建物が空き家となっている側面もあります。しかし、所有する空き家が、空き家対策特別措置法における「特定空き家」に指定された場合、この特例措置の対象から除外され税負担が増加するため注意が必要です。
空き家の賃貸に関する税金
空き家(不動産)を賃貸した場合は、不動産所得が生じるため所得税が課税されます。その他にも、住民税や復興特別所得税、事業規模の場合には事業税が課税されます。不動産所得は、不動産の総収入金額から必要経費を引いた額で算出し、確定申告を行い納税します。
空き家の売却に関する税金
空き家(不動産)を売却する場合は、譲渡所得に対して所得税が課税されます。税額は事業所得や給与所得とは分けて算出されます(分離課税方式)。譲渡所得は、譲渡収入金額から取得費と譲渡費用を引いて算出され、不動産の所有期間によって税率が異なります。特に、一定の要件を満たした空き家の売却については、空き家の譲渡所得の3000万円特別控除により税負担が大幅に軽減されます。空き家の売却を検討されている場合は、要件を満たしているか事前に確認しておくことをおすすめします。
空き家を相続した際の小規模宅地等の特例
被相続人が住んでいた土地や、事業をしていた土地について、一定の要件を満たす場合には、最大80%まで土地や建物の評価額を減額できます。主として、被相続人が住んでいた宅地(特定居住用宅地等)に、被相続人と生計を一にする配偶者が住んでいた場合などにこの特例が適用できます。また、被相続人が事業をしていた宅地(特定事業用宅地等)にも適用できます。ただし、適用には細かく定められた要件を満たす必要があります。相続人の生活基盤となる財産である土地の評価額を減額できる重要な相続税の特例の一つですが、更地にした場合や賃貸した場合には適用されない、手続きの期間が1日でも過ぎると適用されないなど、注意を要しますのでなるべく早くご相談ください。
不動産の民事信託
相続をきっかけとする空き家問題の解決策の一つとして、遺言代用の信託、後継遺産型受益者連続信託への関心が高まっています。例えば不動産を後の相続人に民事信託することによって、生前から不動産の管理を任せることができます。認知症などで財産の移転が困難になる前に、計画的に財産を次世代に引き継ぎ、資産としての不動産を円滑に運用することができるため、相続をきっかけとした家族間の争いを防ぐことにもつながります。また、売却と比較して登録免許税や不動産取得税が低く設定されているため節税効果も期待できます。
相続に関する税金
不動産とは直接関係ありませんが、現金での生前贈与として、中長期的に贈与税の基礎控除(年110万円)を積み上げる方法があります。長期的に見て節税効果が高くなる孫への生前贈与を利用したり、生前から円滑な資産移転を行うために信託を活用する方法もあります。これらの税務は複雑なため、適用時には専門家への依頼は欠かせませんが、まずは相続における様々な選択肢を知っておくことが重要です。詳しくは空き家と相続をご覧ください。
適切な空き家(不動産)の評価が重要
相続した土地の財産評価額に、非課税要件を満たしている道路を誤って算入したために、本来支払う必要のない相続税を支払ってしまうなどの事例があります。そのまま気づかずにいると、支払う必要のない固定資産税を支払い続けることになります。気づいてから修正することは可能ですが、その手続きは容易ではありません。そのような事にならないよう、不動産は相続時に適切な評価を行うことが重要です。すでに空き家を所有していて登記簿の内容を把握していない場合は、一度確認してみることをおすすめします。
空き家の税金に関しては専門家に相談を
様々な税金面での優遇を受けるためには、空き家になる前の対策が最も重要です。既に空き家になっている場合でも、なるべく早く対策を行うことが肝心です。行政でも売却時の所得税の特別控除や宅地建物取引業者向けに不動産取得税の軽減制度を設けるなど、空き家対策を強化しています。空き家問題に詳しい不動産業者や税理士などの専門家に相談しながら、最もメリットの大きな方法を検討することをおすすめします。
ワンポイントアドバイス
空き家を放置することで、固定資産税が最大6倍に上がるリスクがありますので注意が必要です。
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