
空き家の管理、賃貸・売却、利活用に関連する法律は多岐に渡ります。法律を熟知した専門家に相談することは重要ですが、まずは所有者自身が関連する法律を知っておく必要があります。
空き家と民法
不動産に関することの多くは民法で定められています。例えば、不動産の相続に関することは相続法によって、また、不動産を一定の期間を決めて賃借を行う定期借家契約は借地借家法で定められています。空き家が原因で他人に損害を生じたときの所有者の責任は民法第717条で定められています。万一、空き家から火災が発生した場合など、所有者の管理責任が問われることになります。空き家に関する法律を知り、法的な問題を回避するために空き家を適切に管理することが重要です。
空き家と信託法
相続をきっかけとする空き家問題の解決策の一つとして、遺言代用の信託、後継遺産型受益者連続信託への関心が高まっています。例えば不動産を後の相続人に民事信託することによって、生前から不動産の管理を任せることができます。認知症などで財産の移転が困難になる前に、計画的に財産を次世代に引き継ぎ、資産としての不動産を円滑に運用することで、空き家問題の発生を抑えることが可能です。
空き家と民泊法・旅館業法
訪日外国人の宿泊施設不足を緩和するために民泊法が制定されたことで、空き家の利活用の形態として民泊が注目されています。空き家を民泊として利用する際には、許可の取得や消防法など各法律や条例への適応が求められます。また、規模や目的、地域によっては旅館業法上の許可を取得しなければならない場合もあります。特に賃貸物件やマンションの空き室(空き部屋)は、賃貸契約や管理規約などで用途が制限されていることが多いため、事前の確認が欠かせません。
空き家と建築基準法・都市計画法
建てられてから相当の築年数が経過している空き家の場合、法改正などの影響で、解体やリフォーム、建て替えを行う際に、建築基準法や都市計画法によって「再建築不可」や「セットバック要」などの制限を受ける場合があります。また、建築物にアスベストが使用されている場合は査定評価が下がるだけでなく、解体の際のコストアップや工期の延長にも繋がります。事前に建築基準法や都市計画法による影響を把握しておくことが大切です。
空き家と道路法・消防法
倒壊の恐れのある壁や、沿道に出た庭木などは道路法に基づく除却命令が、また、空き家が火災の予防の支障になっている場合は、消防法による除却命令が出されることがあります。行政が代執行などの措置を講じる場合もあるため、日頃から適切な管理をして、地域社会に悪影響を及ぼさないよう配慮しておく必要があります。
空き家対策特別措置法
空き家に特化した法律として、空き家の除去、撤去その跡地の有効活用を目的とする「空家等対策の推進に関する特別措置法」(通称:空き家対策特別措置法)が制定されています。放置することが不適切な「特定空家」に指定された場合、固定資産税の優遇措置が適用されなくなります。また、立入調査を拒んだり、命令に従わない場合には罰則規定があります。止むを得ず市町村による代執行の措置として解体などがされた場合は、解体などの費用は所有者の負担となります。空き家対策特別処置法のみならず、建築基準法、道路法、災害救助法などとの組み合わせによる措置もありえます。空き家の所有者の社会的責任として、適切な管理を行うことが強く求められています。
空き家所有の法的リスク
その他、災害対策基本法や景観法など、空き家は様々な法律と関係しています。空き家を放置することは、法律に抵触するリスクを高めるだけでなく、近隣住民とのトラブルの原因となることもあります。相続した不動産が空き家になっている場合は、一刻も早く適切な管理を行い、賃貸や売却、利活用を検討することが求められています。空き家のリスクとトラブルのページも合わせてご覧ください。
ワンポイントアドバイス
毎年のように行われる改正により、法律の内容は日々変化しています。近年、空き家に関する法律も整備され、所有者に対する罰則や責任が明確化されました。
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